東日本大震災アーカイブ

放射線 放射性物質 Q&A 子ども屋外で遊ばせてよいか迷う

 子どもが夏休みに入り、家の外で遊びたがっています。東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質の影響が心配ですが、既に2年4カ月余りが経過しており、屋外で遊ばせてよいか、迷っています。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー長崎大教授 高村昇さん

■内部被ばくのリスクなし 適度な運動や日光浴必要

 せっかくの夏休みですので、外で思いっきり遊びたい子どもさんも多いと思います。その一方で、家族の中では外部被ばくや内部被ばくの影響が気になる方もいらっしゃるかと思います。
 例えば、空間線量が1時間当たり0.5マイクロシーベルトである場合、屋外で2時間遊ぶと1マイクロシーベルトの外部被ばくをすることになります。夏休みの期間中、毎日2時間ずつ遊んだとすると合計で40マイクロシーベルト程度になります。これは医療被ばくにすると胸部レントゲン写真1枚分程度、ということになります。
 また、現在、空気中に放射性セシウムは存在していませんので、外にいる間に空気を吸い込むことによる内部被ばくのリスクはありません。土や砂などに微量な放射性セシウムが吸着していることがありますが、これらは帰宅後手足を水で洗ったり、髪を洗うことで十分落とすことができます。転んで手足を擦りむいたとしても、傷口を洗ってあげれば付着した砂や土と一緒に放射性セシウムを取り除けます。
 以上の状況から考え、現在、県内で居住できる地域であれば、夏休みの間、子どもを屋外で遊ばせても特に問題ないと考えられます。むしろ、育ち盛りの子どもにとって、適度な運動をすることはとても重要です。さらに、骨の発育に必要なビタミンDの合成のため、適度に日光に当たることも大切です。熱中症対策で小まめに水分を摂取することを心掛けながら、遊ばせたらいかがでしょうか。

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